2003年9月20日上演(第6回公演)

オムニバスミュージカル「ザ・スター」

夜空を見上げてごらん。違う輝きをする星・星・星…。

でも夜空は美しい。

 

小さいころ空に一番星が出るまで一緒に遊んでいた幼なじみ。

彼らは成人し、それぞれの環境の中で自分の個性に悩みながら生きている。 

でも個性は星のように美しい輝きを持っている。

 

 

そんなそれぞれの人生を描いたオムニバスミュージカル。

 

 

ストーリー

宵の明星金星は,友情と平和を意味する。

幼いころ、時間の経つのも忘れ、公演で無我夢中で遊んだ日々。

 

やがて、日が沈み、一番星(金星)の妖精達が、帰宅の時を告げる。

正義の星土星は,忍耐と時間。

年老いたノラ猫は、子猫の頃人間に棄てられた。

しかし彼女は人間の子ども達と一緒に公園で遊んだ思い出を持つ。

 

人間に虐められたこともあったが、子猫の頃の楽しい日々の思い出が彼女を人間不信にすることがなかったことを語る。

闘争の星火星は,破壊と決断。

性同一障害に悩む青年。

男って何?女って何?

 

自分の中の性と社会で認められた性との違いに悩んでいてもしょうがないと、ある日、性転換したものの、父との闘いはまだまだ続く。

成功の星木星は,父性と繁栄。

日本で子ども時代を過ごしたジプシーの男の子が青年になり、ジプシーのキャラバンの一員としてロサンゼルスで暮らしている。

 

グループ(家族)のリーダーになってくれと長老から言われるが、日本で離ればなれになった父のことが気にかかり、家族とは何かを悩む。

知性の星水星は,神々の使者。

人間の母親と吸血鬼の間に生まれた子ども。

子どもの頃は太陽の下で友達と一緒に遊べていたが、少女になって、体に異変が出る。腎臓移植をすると普通の人間と同じように太陽の下に出られるというが…。

 

それが生き延びる知恵なのだろうか?

明けの明星金星は,愛情と希望。

それぞれの個性が、社会に認められないからといって、その個性が悪いわけではない。悩んだ分だけ勇気が与えられる。

 

やがて、夜が明け、金星の妖精達が、新しい旅立ちの時を告げる。