2013年8月18日上演(第15回公演)

ミュージカル「HEY ROCK!!」

原作は,毛利正直著「大石兵六夢物語」。

この作品が掛かれた天明四年(1784年)頃の薩摩は、権力者や小役人によって善良な民衆は苦しめられていたそうです。

「大石兵六夢物語」は,拝金主義にうかれる小悪人を悪狐にたとえて諷刺した作品で,中期江戸文学として高い評価を受け,いまも広く読み継がれています。

この一夜の夢物語を,ロック仕立ての音楽・衣裳・演出により現代風にミュージカル化した作品です。

タイトル「ヘイ ロック」は,平(へい)六(ろく)をもじってつけられました。

ストーリー

薩摩吉野では狐の化け物が人を騙して坊主頭にしてしまうという噂話があった。

それを仲間の市助から聞いた兵六(通称=ロック)は、実は臆病者であったが、「俺がひとりで行って、一匹残らず退治して見せよう」と豪語し、刀を腰に差し吉野山へ出発する。

それを聞いた狐たちは、千変万化の秘術でロックを迎え撃つ。

一つ眼の山伏や、ろくろ首の女、三つ眼の猿など、様々な化け物に遭遇していくうちに、ロックはだんだん追い詰められていく。

ついには女性を縛り上げて御用になり、和尚に化けた狐に助けてもらう。しかし、またも騙されて肥溜風呂に入浴し、丸坊主にされてしまう羽目に。

感激したのに騙されたと知り、怒りに震えたロックは、狐を撃ちにかかるが…

明け方、出発した時とは変わり果てた姿で城下に帰ったロック。

 

だが、大きく変わったのはその姿だけではなかった。